SELF LINER NOTES


疑似流星

 曲の原型が出来たのは 2004 年くらいかな。友人の見様見真似で MIDI シーケンサを少しいじっていた時期があり、この曲はその時に打ち込みやコード理論の勉強をしながら作った記憶がある。当時ギター歴は浅かったはずだが、コード進行がちょっと複雑で変に凝っているのはそこらの影響が大きいかもしれない。 

 この曲を聴いてくれた方から大抵質問されるのは「“擬似流星”ってそもそもなに?」ということ。詞を書いた当人としてはその意味の考察を楽しんでほしいという部分もあるのだが、あまりにこの質問が多すぎるのでここで一応正解を発表してしまうと「灯りをつけた乗り物(自動車・自転車・電車)が走っている様子」を比喩表現したものである。走り去っていくライトって人口の流れ星みたいでしょ?と言いたかった。そして、この“擬似流星”=“乗り物の灯り”があることにより人の存在や人の温もりを感じることができ、更にはその人々が暮らす街や故郷の存在や大切さを感じることができるのではないか…みたいな考えが詞となっている。 
 一応、作曲時の裏モチーフは「シチューのCMっぽい曲」。聴いた方々がなんとなくほっこりとした懐かしい雰囲気を感じてくれたら嬉しい。

(カジヅカ) 

愚かな男

 作曲は 2010 年の夏頃。当時(まぁ今もだけど)はキンモクセイにハマりにハマっていて、彼らのようなコテコテな“和製ポップス”を歌いたいなと思って作った曲。初めてこの曲の原型を聴かせたときにリキから「キンモクセイのコピーをやるのかと思った。」と言われたほどキンモクセイの某曲に似ちゃっている。しかし、このリキの発言によりオマージュとしては大成功だと確信ももてた。パクリではなくオマージュ。 

 作詞には大分悩んだ記憶がある。実は第一案として当時自分自身の悩みであった「多すぎる残業」を題材に詞を書き始めたのだが、結果ただの愚痴の羅列になってしまった上、曲のイメージに合わずボツとしている。最終的には「失恋を反省しないダメな男」と言う内容の詞となったが、どちらかと言えば昭和感の漂う言葉を集めていった結果このような切ない内容の歌詞がいつのまにか出来上がっていたと言う感じが強い。 
 程よいテンポや難易度・酔える雰囲気があいまって、演奏している自分たちがとても気持ちよくなれるのでついついセットリストに入れたくなっちゃう一曲。(カジヅカ)

アメダマ

 2012 年春頃の作詞作曲。当時どうしても急ぎで2曲ほど新曲を書かなきゃいけないという状況に追い込まれおり、その時突貫工事的に作った曲の一つ。 

 テーマは、梅雨(雨)に関する歌詞をキャンディーズ(飴)の曲みたいなメロディーにのせて歌うというくだらないダジャレから思いついたもの。だからタイトルも「アメダマ=雨玉=飴玉」。 
 急いで作った割には自分たちでも演奏していてなかなか気持ちのいい一曲に仕上がったのだが、ここで一つ失敗点が…梅雨という短い期間のことを歌詞に書いてしまったため、一年を通して歌える機会がかなり少ないということ…結局リョカッキ結成前までは一回しか演奏した経験がない。しかし、なぜか身近な音楽仲間の間ではこの曲のファンが意外と多いと言う不思議な楽曲。そういうこともあるので、リョカッキではたくさん演奏する機会を設けていけたら良いなとは思っている。 (カジヅカ) 



Mr.Smiler

 原型が出来たのは 2003 年頃かな。当時使っていた携帯電話の着メロ作成機能(懐かしい…)で色々遊んでいるうちに出来たのがこの曲の原型。コード進行が超単純なのはその為。 
 曲を作り始めた時の裏モチーフは「天才てれびくんっぽい曲」。歳の離れた弟がいたので、結構な青年までNHK天才てれびくんを見ていたものでその影響をモロに受けている。(当時はMTKという音楽コーナーがあってそれが好きだった。)それにプラスして当時聞き始めたThe Beatlesにも影響を受け、結果現在のような楽曲となった。 
 雰囲気が明るい曲なので気付かれていない方も多いだろうけれど、実は詞の内容的には「いつでも笑顔でいれる存在になりたいなぁ…。」みたいなヘヴィで暗い感情を綴っていたりする。しかしながらやはり楽曲自体はライブの盛り上げ曲として大変重宝している。この曲の演奏時、ステージから見えるお客さんの手拍子に実はとても感動していて毎回目頭が熱くなっていることは秘密である。(カジヅカ) 

 作詞作曲は2017年の1~2月にかけて。リョカッキ結成するにあたり完全な新曲が欲しいなと思い、実に約2年振りに書いた曲がこれ。その2年の間は、個人的に良くも悪くも様々な大きな出来事が多々重なり、人生っていうものを考える大きな機会になって…その中で出た(今の)答えとして、当たり前のことだけど「普通ってこんなに幸せなんだなぁ。」という考えに行き着き、それを直感的に曲に綴ったって感じ。 

 曲の裏モチーフは「三ツ矢サイダーのCMっぽい曲」で、リョカッキ創成期の代表曲となるような曲を目指し、とにかく分かりやすさを重視して作った。 
 タイトルのZについては、「アルファベットの最後=人生の行き着く先」の比喩であり、そこにおける“幸せ”ってことについての考えを表している・・・・・・と言うのは実は後から考えた都合の良い表向きの意味。本当はサビに出てくる“太陽と月”って歌詞が、当時プレイしていたポケモン“サン&ムーン”と偶然にも一致していたことから、そのゲームに出てくる「Z(ゼンリョク)ワザ」と言う言葉をヒントに仮でつけたおふざけタイトルにすぎなかった。しかし、なんか意味深でカッコいいタイトルだなと思い本採用してしまった次第。(カジヅカ) 

おーいえーい!

 作曲時期は2017年6月。同年4月にリョカッキ初ライブを行ったのだが、その際にライブ1曲目に相応しいような曲がリョカッキには無いなってことに気付いて、何か策を打たねばと思い作りはじめた一曲。超が付くほど単純な詞と曲ではあるが、作曲に関し「盛り上げを考えて曲を作れない。」「歌いたい歌詞が無いと曲が作れない。」と言う2つの大きな悩みをもっていた自分としてはそれらを打破すべく冒険してみた実験作でもある。

 実験作故に自分自身では殆ど手応えがなく、バンドに持って行っても曲として成り立つのかとても不安ではあったが、それを格好良く仕上げてくれちゃったリョカッキメンバーには本当に感謝である。詞は上記の悩みを嫁にぼやいた時に言われた「じゃあ意味ない曲作れば?」の一言が大分ヒントになっている。タイトルについては有名アーティストの方々が結構な数「OH YEAH」って曲を発表していることを知ったので、一応差別化を図った結果平仮名表記となった。(カジヅカ)



スーパームーン 

 作曲時期は2011年3月。同月11日に発生した東日本大震災から間もなく、スーパームーンが観測された19日の夜に作曲。 

 震災により体験した非日常的な生活の中で湧き出てきた感情やら思考やらを何らかの形でアウトプットして自分の気持ちや立場を一旦整理させておきたいなと思い作った曲。ごく短時間で書き上げたことは覚えているが、書いている最中のことは正直あまりよく覚えていない。それだけ衝動を直感的に詰め込んだ曲なのだと思う。詞も曲もそれまでの自分の曲にはないくらいストレートな感じなのもそのためだろう。 

 私事ではあるが、この曲が出来たことで「自分の曲を自分で歌って伝えていきたい。」という気持ちが本格的に芽生え、同年11月のライブを最後に当時リードギターとして所属していた「COACH」からの脱退を決意したという経緯がある。また翌年2月の「Ramune Fizz」結成もこの曲でのセッションがきっかけとなっており、自分にとっては音楽人生を変えたと言っても過言ではない大事な一曲である。(カジヅカ)

舌打ち

 ふとした時にモヤモヤを思い出して「チッ」とやってしまう、最近ついたイヤな癖を妻に指摘されて作った曲。

歌詞の内容も、上手くいかない・伝わらない・どうしようもない・思い通りにいかない、そんなネガティブなことに解決策も何も思いつかないので「クソみたいだ」の一言で片づけるという暗いものになっています。

 そんな暗い曲なりに言葉遊びを隠してあって、「今日は罰を掬い取って」のところは「凶は×を掬い取って」という裏表記が存在します。「凶」の字、「バツ」を掬い取ってますよね?ただそれだけなんですが…。

 ちなみに明かしてしまうとモチーフになっているのは岩瀬敬吾の「くり返すは口癖と罪悪感」。岩瀬氏の曲は抽象的な表現や比喩表現が多くて歌詞の解釈が結構難解ですが、逆に言えばある意味解釈の仕方が幅広くできるわけで。そんな歌詞が書けたらいいなぁと思うばかりです。